ホームにある、「きしめん」のスタンドはビールを飲んでるおじさんで一杯です。
ちょっとお腹が空いていましたけど、あと少しすれば、家で晩酌です。
携帯で家に連絡しようとしましたが、携帯がつながりません。
公衆電話には長蛇の列が出来ています。
駅のタクシー乗り場もすごい列が出来ています。
タクシーで帰れる距離じゃないし、運転再開までブラブラしましょ。
(ここで、ホテル確保か会社に戻るか判断すべきでした)
JRだけでなく、近鉄、名鉄、地下鉄の一部も止まっているようで駅の周辺は人だらけ。
地下街のお店も閉店していて、閉店時間の遅いハンバーガ屋は大にぎわいです。
若い人たちが階段に座っている姿が目立ち始めました。
ホームに戻ると雨は小降りになったような気がします。
「ホテルが一杯で、今夜泊めて・・」携帯で話している人がいます。
運転再開をあきらめ始めた人が動き出したようです。
ホームにたたずむ人や、人の間を急ぎ足で歩く人。
足が疲れてきましたが、座れる場所なんかありません。
12時近くになって、「下り線の運転を再開します。隣のホームからの始発となります」。
みんな一斉に隣のホームへ殺到します。
(ま、最初の列車は込んでいるから2~3本見送りましょ。)
空いたベンチで足を休めていると、ギュウギュウ詰めの電車が発車しました。
カミナリが光って、雨がまた激しく降り始めました。
3本ぐらい電車が発車したら、アナウンスが聞こえます。
「降雨計の警戒値を越えましたので、運転を休止いたします。」
(また?、雨ぐらいこのまま運転してくれればイイのに・・・。)
2時頃になるとお腹が空いてきます。
駅の売店、2カ所ぐらい開いてくれています。
でも、あるのは酒のおつまみぐらい・・・。
コンコース、階段、壁際、みんな座り込んでいます。
ポスター破がして、寝ている人もいます。
女子高生達でしょうか、体操服姿でワイワイやっています。
雨が降るのをこんなに長い時間、見ていたのは初めてです。
どれぐらい降っているんでしょうか。
「庄内川の警戒水位が下がりませんので運休しております。」
(いまから家に帰っても寝る時間ないな・・・。)
とうとう空が明るくなり始めました。
しゃがんでいると、ふっと寝てしまいます。
隣のホームのサラリーマンも背広を掛けて寝ているようです。
朝方、「運転の再開は午前中かかる模様です。」
(うそ、雨ぐらいでそんなにかかるの?。)
仕方なく、会社へ向かいました。
地下鉄を降りると会社の周りもゴミや泥が散乱しています。
会社に泊まった人によると、夜には膝ぐらい水が出ていたそうです。
テレビのニュースでは茶色の水に浸かった枇杷島町が写っています。
(え!!こんな状態で運転再開を待っていたの・・・。)
その日は新幹線で岐阜羽島駅に向かい、名鉄線で尾張一宮に帰りました。
枇杷島町を過ぎたとき、車内でどよめき、車は屋根しか見えません。
新幹線の中では、「東京からもう、24時間・・・。」
ぐったりした親子連れの姿も見えました。
水没した人達の復旧作業はこれからが大変。
台風の動きも気になります。皆さん、頑張ってください。
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