慈眼堂 阿弥陀如来石像



比叡山のほぼ真東に位置する大津市坂本。
JR比叡山坂本駅で降りて、比叡山に向かって西へ10分も歩けば、町全体が急勾配で比叡山に繋がっていきます。道路の傾斜は30度弱といったところでしょうか、そんなにはないかもしれませんが、ともかくも脚を前に進めるのももどかしく、息は切れてなかなかいうことをききません。

急な坂道を目指す慈眼堂までの700m、なんとか躰を運んだ先は延暦寺を復興した慈眼大師の廟です。静かな佇まいの竹やぶ手前にひな壇のように小高く土盛りがしてあるその上に、真横に安置された阿弥陀如来の石像は像高がほぼ1.3m。
高島市鵜川の四十八躰仏のうち13躰を江戸の初期に天海大僧正が当地に移したそうですが、それにしても、江戸時代、人力で運んだのでしょうが、並大抵の信仰心ではありませんね。
阿弥陀如来像は、長年の風雪に耐え、時が移り変わるのを今も静かに見ています。

そういえば、坂本の街中で異彩を放っていた地元老人クラブお手製の横断幕。
『神佛習合の門前町坂本 今も尚天正の風が吹く』は、この地の長年の信仰心と発現するパワーを体現しているのでしょうね。
 (※天正:安土桃山時代、1573年〜1592年)
参拝地:滋賀県大津市坂本 慈眼堂
参拝日:平成28年12月30日(金)


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