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「・・・後ろ・・・使わなくてイイの?」
 二人同時に弾けると、垣内は望の隣にゴロンと横になった。
 そのまま望を抱き締めてじっとしている垣内に、覚悟を決めていた望はそう尋ねたが、垣内は首を振った。
「今夜は酔ってるから望を傷つけずにできるかどうかわからないからいい。最初はちゃんと・・素面で抱き・・・たいん・・だ・・」
 垣内はそう言うと望を抱き締めたまま寝息を立て始めた。
「え・・? ちょ・・ちょっと・・後始末もなしに、このまま寝るのかよっ!?」
 二人で放ったものでドロドロなのに、そのまま眠れるって、どういう神経をしてるんだと、望は呆れてしまった。
「俺・・・恋人の選択間違えた?」
 望は『後悔先に立たず』ということわざを思い出したが、後の祭りだった。
「ちぇっ、幸せそうな顔で寝てやんの」
 望はしばらく頬をつついたり口唇を引っ張ったりして遊んでいたが、垣内はピクリともせずに寝入っていた。職業柄、寝られる時に熟睡できるクセがついているのだろう。
そうこうしてるうちに望も睡魔に襲われた。
『コレはコレで幸せなのかもしれないな。多くを望んだらバチが当たるかも・・・』
望はそんなことを思いながら垣内の腕枕で眠りについた。




                                                             おしまい♪