「あっ・・」
胸を撫でていた垣内の指が乳首を掠めると、身体に電流が走って、望は甘い声を上げた。
「胸・・感じるのか?」
垣内はさっきまでの泣きそうな顔はどこへやら、驚いたように目を丸くしていた。
「あっ・・アンタがイヤらしい触り方するからじゃないかっ!」
望が怒鳴ると、垣内はクックッと喉の奥で笑った。
「そりゃ、イヤらしいことしようとしてるんだからな」
望の頬に朱がのぼった。
「イヤがらせならやめてよ・・・こんなの・・イヤだ・・・」
望が抗議すると、垣内は眉を寄せた。
「どうしてイヤがらせだなんて言う? 俺はお前が好きだって言ったろ。好きなコと二人っきりでいるんだ。男なら手を出さずにいられるもんか」
垣内の言うことはもっともで、望は口唇を噛み締めそっぽを向いた。
「お願いだ、望・・俺を・・・拒まないでくれ・・」
ギュッと抱き締められても以前ほどイヤじゃなくなっている。望は垣内にほだされ始めている自分に気づいた。
『10も年上でこんなに図体デカクても、全然ガキでやんの・・・・』
可愛さあまって憎さ100倍の逆パターンだなと思うと、なんだかもう笑うしかなくて、望は垣内の背中に両腕を回した。
「・・・のぞ・・む・・?」
そつといたわるように回された望の腕に、垣内は驚いたように顔を上げた。
「仕方ないからアンタのモンになってやる。でも俺、女は抱いたことあるけど抱かれるのは初めてだから、ソコんとこよろしく」
「え・・?」
垣内は鳩が豆鉄砲を食らったように、ポカンと口を開けて固まってしまった。
「い・・いいのか?」
「ヤだって言っても、こんなことしたクセに。それとも今ならイヤだって言ったら離してくれるの?」
垣内の問いに意地悪い答えを返して、望はニヤッと笑った。
「いや、もう何があっても離す気はないね」
望が受け入れてくれたことで、垣内は自信を取り戻していた。
「お前は俺のモノだ・・」
垣内は確かめるように望の身体を抱き締めた。
望は垣内のそんな様子を、ずっと欲しがっていたオモチャをもらって喜ぶ子どもみたいだと思った。
「アンタも俺のモノだからね」
望に抱き締め返された垣内は嬉しそうに笑った。
「あっ・・あ・・ぁん・・」
口唇も舌も痺れるほど吸われ、もう望からこぼれる声は意味を成していない。大きな手でやわらかく包まれて扱きあげられ、既に何度も蜜を放っていた。
「も・・死ぬ・・」
音を上げる望に、まだ一度も放っていない垣内もそろそろ限界にきていた。望と自分自身を重ねて握ると、頂に向かってスパートをかけた。