「しげ・・・さんっ・・・ぃや・・・・ぁ・・」
何度も達かされて、もう放つものはないはずなのに、彼方の意思を裏切って自身がまた勃ちあがりはじめた。
「彼方の身体はイヤがってないよ・・・ホラ、ココもだいぶほぐれてきた・・・」
慎重に含ませる指の数を増やしたおかげで、彼方の蕾は3本の安達の指を咥えこんでいた。
彼方自身に連動しているかのように堅くなっている胸の粒を舐めあげて、彼方の意識をそちらに逸らしてから安達は指を引き抜き、代わりに自分自身をあてがった。
「彼方・・・そのまま力を抜いてるんだよ・・・・」
指を抜かれて閉じかけている蕾を、圧倒的な質量で再び開かれて、彼方は涙をこぼした。
「滋さん・・・・しげるさん・・・」
感じる痛みは相当なものだろうに、口唇を噛んで、安達の背中に爪を立てて堪える彼方が愛しくて、安達は強く抱き締めた。
「彼方・・・愛してる・・・・」
そのまま彼方の身体が慣れるまで、動かずにじっと待ってやる。
「僕・・・も・・・好き・・・・大好き・・・」
「わかるか? 俺達・・・今ひとつになってる・・・」
「うん・・・うん・・・」
そして、二人は高みを目指して駆け上がった。
「冗談じゃないわっ! ダレが可愛い弟をヤクザなんかにくれてやるもんですかっ!!」
遥が仁王立ちになって、顔を真っ赤にして叫んでる。その隣で花巻はあんぐりと口を開けていた。
星野家のリビング。安達の出自を聞かされた遥は、いつも以上の剣幕で安達を罵倒した。
「なんだか口うるさい小姑みたいだな・・・・」
安達がボソッとつぶやいたのを遥は聞き逃さなかった。
「なんですって!? 極道なんかにそんなこといわれる筋合いはないわよっ!」
「ルカ・・・そんなに怒らないで・・・」
彼方も安達の家がヤクザと聞かされたばかりで混乱しているのに、折り合いが悪い姉と恋人の間でおろおろと、途方に暮れていた。
「彼方を極道にするって言ってる訳じゃないだろ? そんなに熱くならないでくれないか。お義姉さん」
ワザとお義姉さんと呼ばれて、遥は完全にキレた。
「ふざけないでっ! アンタみたいな可愛げのない義弟なんか、願い下げだわ!」
花巻は頭を抱え込んでいる。
「ヤクザかよ・・・道理で・・・強引にマイウェイな訳だ・・・・」
「俺ンちの家業がヤクザなのは、俺の責任じゃない。そんなどうしようもないことで、ウダウダ言われるのはゴメンだ。それに俺はヤクザになるんじゃない、弁護士だ」
安達が冷静なほど、遥のボルテージは上がって行く。
「ヤクザの方がマシってくらい悪徳弁護士になるのがミエミエでしょ。恨まれてアンタ一人が刺されるのは構わないけど、カナが巻き込まれない保証なんて、ドコにもないじゃない!」
「俺がそんなヘマをするとでも?」
大の大人もビビる安達の睨みにも、遥は怯んでいなかった。
「つまんない勘違いからカナを強姦したような男ですもの。ヘマもヘボもやらかすのは火を見るよりあきらかね」
「なんだと!? このアマ! 彼方の姉だからと思って、人が大人しくしていればつけあがりやがって!」
消し去ってしまいたい過去の汚点を突つかれて、安達も流石にムッときたのか、立ちあがって大声を上げた。
「あーら、弁護士になるって言っておきながら、ヤクザのような物言い。取り繕っていても生まれは隠せないようね」
もはや子どものケンカである。
「司・・・なんとかしてよ・・・」
「できることならとうにしてるよ・・・ 苦労するよな、お互いに・・・」
いつ終わるともしれない激しいバトルを繰り広げている安達と遥を横目に、彼方と花巻は大きなため息をついていた。
おしまい♪