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「センパイ・・・・達くときは俺の名前を呼んで・・・」
 激しく腰を使いながら、佳尉が言う。真矢はコクコク頷いた。
「あっ・・・?」
 動きを止めた佳尉は、繋がったまま真矢の身体を反転させ、正常位をとった。
「やっぱ、イイ顔見ながら達きたいや・・・」
 真矢の腕をとって自分の背中に回させると、佳尉は再び動き出した。
「センパイ・・・気持ちイイ?」
 息を弾ませながら佳尉が訊く。真矢は熱にうかされたように頷いた。
「一緒に・・・・達こう?」
 佳尉の動きが激しくなる。二人の腹に挟まれた真矢自身も、再び硬く張り詰めていた。
「あ・・・か・・・佳尉っ!」
 真矢は佳尉の背中に爪を立て、蜜を放った。その顔を見ながら、佳尉も真矢の最奥に熱を放出した。

「センパイ。立てる?」
 何度も精を放って、ぐったりと半分意識を飛ばしている真矢に佳尉は声をかけた。真矢の返事がなかったので、佳尉は抱き上げてバスルームに運んだ。
「もうちょっと我慢してね。中のビー玉出してあげるから・・・」
 佳尉は真矢を床に横たえると、散々弄られてふっくらとほころんだままの蕾に指を挿し入れた。
「んっ・・・やっ・・・」
 ほとんど意識はないはずなのに、真矢が嫌がって身体をよじる。その瞬間、佳尉が放った精とオイルが蕾から溢れ出して、真矢の内股を伝う。
「うわ・・・すげぇエロい・・」
 佳尉は2本の指で蕾をこじ開けるようにして、ビー玉を取り出した。そして、浴槽に湯をはってる間にシャワーの湯で真矢の内を綺麗に洗い流した。


「ごめん・・面倒かけて・・・」
 真矢が意識を取り戻したとき、佳尉に抱かれて浴槽に浸かっていた。
 今更ながら醜態を晒しただろうことを、恥ずかしく思って佳尉に謝った。
「何謝ってんだよ。俺の所為だろ?」
「だって・・・ こんな・・・みっともない・・・」
 2人で入ってもまだ余裕のある広い浴槽の端に逃げて、真矢は佳尉に背を向けた。
「みっともないのは俺の方だろ? センパイが意識を失なうまで抱くくらいがっついてたってことなんだからさ」
 佳尉は真矢の肩に手をかけると、そっと振り向かせた。
「こんなケダモノみたいな俺に愛想尽かした?」
 佳尉の問いに、真矢は目を見開いてブンブン首を横に振った。
「ぼっ・・・僕が佳尉に愛想を尽かすなんて・・・そんなこと・・・」
 泣き出しそうな顔で必死に弁解する真矢を抱き締めると、佳尉は宥めるように背中を撫でた。
「わかってるって・・・センパイは俺にベタ惚れなんだよね。可愛いよ」
 真矢は大人しく抱かれたまま、ポツンとつぶやいた。
「佳尉が僕に愛想を尽かすことはあっても、僕は・・・・僕は・・・」
「はいはい・・・もういいから・・・黙って・・・」
 佳尉は真矢の口唇を自分のそれで塞ぐことで、黙らせた。


 月曜日。青い顔をして足元がおぼつかないような様子の真矢を、岡崎が苦虫を噛み潰したような表情で見ていた。
「お前さ、いつも週末になると、そんなにボロボロになるまで抱かれてる訳?」
 声を潜めてはいるものの、そのものズバリを口にする岡崎に、真矢は顔を真っ赤にして頷いた。
「アイツの家に泊まり込みか? 家の人とか何も言わないのか?」
 真矢への想いは取り敢えず封印して、親友として心配で岡崎は訊いた。
「佳尉の・・・・家の人はみんな・・仕事の都合で別にマンションがあるって・・・」
 真矢の答えに、岡崎は疑いを隠そうともしなかった。
「まあ、お前がそれでイイってなら、俺は何も言えないけどな・・・ただ、受験生なんだから、ほどほどにしとけよ」
 親友の言うことももっともだと、真矢は殊勝に頷いた。