「あっ・・・佳尉・・・イヤ・・やめ・・・・」
蕾に指を挿し込まれて、真矢は必死で抗った。
「ん? ホントにイヤなの? 真矢のココは美味そうに俺の指咥えてるけど?」
内部を掻き回すように指を動かされて、真矢は恨めしそうに佳尉を睨んだ。
「あぁっ・・ん・・・」
声を堪えなくてもいいと、自分の中のストッパーをはずした真矢は、惜しげもなく悩ましい声を上げた。
「すげぇクる声・・・俺もう限界かも・・・」
佳尉は真矢の蕾を解していた指を引き抜くと、限界まで張り詰めている分身をあてがった。
「真矢・・・愛してるから・・・」
久しぶりに佳尉の昂ぶりを受け入れた真矢の蕾は、最初は強張っていたものの次第にねっとりと佳尉を包み込み、やわやわと締めつけるような動きを見せた。
「うわ・・・・ダメだ・・・っく・・・」
意思に反して佳尉は暴発してしまった。
「・・・佳尉・・・?」
「チクショ・・・情けねぇ・・・チュー坊じゃあるまいし・・・・」
佳尉は照れ隠しに、抜かずの2ラウンド目を開始した。
「えっ・・・まだ・・・? あぁ・・ん・・・」
「当たり前だ。今夜は寝かさねぇからな」
激しく揺すぶられながらも、真矢の口唇には笑みが浮かんでいた。
「うれ・・・しい・・・・佳尉・・・・」
真矢は佳尉の背中に腕を回して、自分のものなんだと確かめるように抱き締めた。
夕方に沙菜のとこから戻ってきてすぐにベッドになだれ込んで、散々貪り尽くしてぐったりとなった真矢を佳尉が解放したのは、夜明けが近い時間だった。
夕食も取らずにずっと抱き合っていて、流石に空腹を感じたけど、今は食欲より睡魔の方が勝っていた。
佳尉は真矢が再び自分の腕の中に戻ってきたことを確かめるように胸に抱え込むと、眠りに落ちた。
バイトを無断欠勤した佳尉は誠吾にこっぴどく叱られた。しかし真矢を恋人だと紹介して、誠吾の心臓が止まるほど驚かせたことで、溜飲を下げた。
「本当によかったの?」
「ナニが?」
「僕を恋人だなんて紹介したりして・・・」
真矢はいまだに蜜月なのが信じられない様子で、佳尉をやきもきさせた。
「いいんだよ。俺は次男坊だからな。それよりも、そんなこと気にするよりも、もっと俺に甘えることに気を使ってもらいたいな」
肩を抱き寄せると、真矢は頬を染めて上目遣いに佳尉を見た。
「だって・・・・僕の方が年上なのに・・・」
「だから今までは俺のが甘えっぱなしだったろ? 多分これからも俺の方が真矢に甘えることの方が多いと思うんだ。だから、タマには真矢も俺に甘えてよ」
佳尉の言葉に、真矢は一つだけワガママを言ってみたいと思った。
「あの・・・・佳尉・・・」
「ん?」
優しく自分を見つめてくれる佳尉の瞳を見つめ返しながら、真矢は勇気を振り絞って言ってみた。
「安物でいいから・・・・指輪を・・・買ってくれる?」
佳尉は満面の笑みで応えた。
「俺、学生だから、バイト料の3ヶ月分でいいかな?」
佳尉の言葉に真矢は目を瞠った。
「それって・・・」
「当然プロポーズのつもりだけど?」
あんまりサラっと言われたので、真矢の脳に言葉の意味が届くのに時間がかかってしまった。
「イエスって返事しか聞かないからな」
「信じ・・・られな・・い・・・・」
「どうして? じゃあ、こうすれば信じてもらえる?」
佳尉の顔が近づいてきて、真矢の想いは3年前にフラッシュバックしたような気がした。