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「人のことなんかより自分の心配した方がイイかもよ。俺センパイの身体にかなりハマッたからさ。いろいろしちゃうぜ」
「い・・・いろいろ・・・?」
 不安になって見上げる真矢に、佳尉は笑顔を見せてこう言った。
「今度の土曜は泊まりに来てよね。楽しめるアイテム用意しとくからさ」
 ゲームとかビデオのことだろうかと、真矢はその時は深く考えなかった。


 そして、土曜日。半信半疑で泊まりに来た真矢を部屋に招き入れると、佳尉は嬉しそうにベッドの上を指差した。
「ドレがイイ? 最初だから選ばせてあげるよ」
 佳尉が指差す先に、ズラッと並べられたモノに、真矢は凍りついた。経験がなくてもわかる。それらは所謂「大人のオモチャ」だった。
「あ・・・・でも、最初はコレだよな・・・」
 硬直する真矢にはお構いなしに、佳尉はたくさんの中から一つ掴むと、真矢を別室に案内した。
「さぁ脱いで。キレイにしてあげるから」
 佳尉はニコニコ笑ってる。
「あの・・・シャワーなら浴びてきた・・・・から・・・・」
 真矢は自分で言った言葉に、そういうことを期待して来たんだと思われるんじゃないかと思って、青ざめた。
「えっと・・あの・・・そういうつもりじゃなくて・・・・僕は・・・」
 そういうつもりとはどういうつもりなんだろうって、思わずツッコミたくなるのを躊躇うくらい、墓穴を掘りまくって真矢が動揺してるので、佳尉は思わず吹き出しそうになった。
「嬉しいな・・・俺とまたシタイと思ってくれてたんだ?」
 肩を抱き寄せると真矢の身体が強張る。佳尉はそっと口唇を重ねた。
「俺は期待に応えるオトコだからね。明日は休みだから一晩中気持ちよく鳴かせてあげる」
 佳尉の言葉に、真矢は気が遠くなる思いがした。
「この間は急だったからゴムつけなきゃなんなかったけど、今日は中をキレイにしてナマでしてあげるからね。俺のが溢れるくらい一杯してあげる」
 佳尉は耳元で淫靡に囁くと、手に持っている浣腸器を掲げて見せた。
「それ・・・・それって・・・」
 真矢が怯えたように訊くと、佳尉は準備を進めながら笑って答えた。
「浣腸。コレでセンパイのおなかの中をキレイにするんだよ」
「うそ・・・・?」
 青ざめて言葉を失った真矢を振り返って、佳尉は訊いた。
「イヤ? やめる?」
 このままいやだと拒絶したら、佳尉はもう自分を側においてくれなくなるんだろうか?
「や・・・やめない・・・」
 俯いて蚊の鳴くような声で答えると、佳尉は嬉しそうに頷いた。
「この世のものとも思えないほど、気持ちイイことイッパイしてあげるから。そんなに怯えないでイイ顔見せて、ね?」
 真矢は頷くしかなかった。
「さあ、下だけ脱いでお尻をコッチに向けて」
 悪魔の囁きに、真矢は死ぬ気で覚悟を決めた。

「うっ・・・!」
 直腸内にぬるま湯を注ぎ込まれて、真矢は吐き気をもよおした。
「最低5分はこのままガマンね」
 ストッパーを装着しながら佳尉が言う。おなかの中では注ぎ込まれたぬるま湯が出口を失って暴れている。真矢は荒れ狂う腹痛を脂汗を流して耐えた。
「センパイ、イイ顔するね。俺もうキちゃってるよ・・・」
 涙目で見上げた佳尉の目は欲望に彩られていた。
「お・・お願い・・・トイレに・・・」
 堪えきれずに懇願すると、佳尉はあっさりとストッパーを外して、トイレに連れて行ってくれた。
「トイレから出てきたら、もう一度するからね」
 恐ろしい言葉を背中で聞きながら、真矢はトイレに飛び込んだ。