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「力を抜けよ・・・入らねぇよ・・・」
「なら、無理に入れるなっ、バカ」
「まだ指だけじゃん・・・オレはもっとずっと太いんだぞ」
「痛いっ! 俺を殺す気かっ!?」
伊織の堅い蕾は、俺の指でさえ侵入を拒んでいた。バージンの証拠ってことで嬉しい反面、早く伊織と一つになりたくて痛いほど張り詰めているムスコが、ポロポロ涙を流しているので俺は焦っていた。
試しに胸を吸い上げると意識が反れたのか、力が抜けたので人差し指だけ一気に根本まで押し込んだ。
「あっ・・」
「熱いな・・・」
胸の愛撫を続けながらナカも掻き回してやると、伊織は啼き出した。
「やめ・・・亜南・・・イヤぁ・・」
ゆっくりと抜き差しを繰り返してやると、伊織の腰が揺れ始めた。指を2本に増やしても苦痛を訴えることなく柔軟に受け入れた。
「あぁ・・・んっ・・・」
上気した頬を涙が伝う。感じ過ぎたせいで生理的なものだろうか。口唇を寄せて吸い取りながら、もう1本指を増やした。
「亜南・・亜南・・・・」
伊織の声に俺は我を失いそうになった。もう我慢も限界だ。
「ごめん・・・痛かったら突き飛ばしていいから・・」
俺は指を抜き去ると伊織の足を抱え上げて、ヒクつくソコに猛る自身を打ち込んだ。
「うわあぁぁっ!」
「ごめん・・伊織・・・・ごめん・・・・」
俺はがむしゃらに腰を使っていた。伊織は苦しげに呻いていたが気遣ってる余裕はなかった。それぐらい、我を忘れるぐらいヨかったんだ。
「伊織・・・伊織・・・っ!」
俺は伊織の名前を連呼しながら弾けた。伊織がとうの昔に意識を手放していたのにも気付かず。
「八宝菜は? どうしてイオ兄ちゃんが兄ちゃんのベッドで寝てるの?」
6時過ぎに亜里が戻ってきたが、伊織はまだ目覚めなかった。コトが済んで我に返った俺は、伊織の内股に流れる血を見て飛び上がった。伊織はピクリとも動かなかったし、ヤリ殺したのかと心底焦った。濡れタオルで身体を清めている間も微動だにしなかったし。
眼鏡を外して眠っている伊織は、普段がしっかりしている所為か、年相応に幼く見えた。
「伊織はいろいろ忙しかったから疲れてるんだ。だから、起こしたりしたら承知しないぞ」
「う・・・うん、わかった・・・」
有無を言わせないような俺の口調に、亜里は驚いたようで素直に頷いた。晩メシはホカ弁でも買ってこなきゃな・・・
「亜里、腹減ったか?」
「ううん・・健ちゃんちでケーキとかいっぱいご馳走になったから、まだおなかパンパンだよ」
亜里はおなかをさすってみせた。
「そっか・・・なら弁当を買いに行くのは、もうすこし後にするか・・・」
俺達がそんな会話をしていたら、2階で物凄い音がした。
「伊織っ!?」
「イオ兄ちゃん?」
俺と亜里は顔を見合わせると2階の俺の部屋へと駆け出した。