何度経験しても、不味いモノは不味い。でもガマンして飲み込むと、健悟がもそもそと体勢を入れ替えて、俺に覆いかぶさってきた。
「飲んでくれたんだ?」
嬉しそうに笑うと、そのまま口づけてきた。
絡まる舌の上でお互いの放ったものが混ざり合うのがとても淫靡で、俺達は放ったばかりなのに、また昂ぶってきた。
「一体何ヶ月ぶりだ・・・こんなんじゃまだまだ足りない・・・」
健悟は再び俺の後ろに手を回して、内部に指を挿しいれてきた。
「あっ・・」
自分でも信じられないくらい甘ったるい声が漏れる。健悟はゆっくりと根元まで納めると、そろそろと抜き差しを始めた。
「あっ・・あ・・健悟ぉ・・・」
腰が勝手に揺れる。健悟は指を増やしながら慎重に俺を解していった。
「まだキツイけど、もうガマンできない・・挿れてイイ? 和夏の内部でイきたい・・・」
健悟の目に欲望の光が宿っている。俺は手を伸ばすと健悟の首に腕を回して引き寄せた。
「イイから・・・・早くコイよ・・・ ガマンできないのは俺も同じだ・・・」
欲望に掠れた声で俺がそう言うと、健悟は一瞬目を瞠ったが、それまでの慎重さがウソのように、性急に腰を進めてきた。
「ゴメン・・和夏・・・」
「あっ・・・あぁっ・・・」
何度体験しても、この最初の衝撃は慣れない。思わず上げた悲鳴は、健悟の口唇に吸い取られてしまった。
俺は意識して身体の力を抜くようにして、健悟を受け入れた。
「和夏・・・好きだ、和夏・・」
根元まで納めると、健悟は一度俺をギュッと抱き締め、ゆっくりと腰を使い出した。
「あ・・健悟・・・」
俺に体重をかけないように、ひじで身体を支えて段々と健悟は動きを早めていった。
額には玉のような汗が光っている。気持ちいいのか目を閉じて端整な眉間を寄せているのを見ると、抱かれているのに、俺が健悟を抱いてやっているように思えた。
「スゲェ・・イイ・・・」
入り口で侵入を拒むクセに、一旦内部に押し入ってしまうと信じられないくらい熱く柔らかく俺を包み込んで、更に奥へと引きずり込もうとするかのような動きを見せる。
そうなると、俺は和夏を抱いているのか、それとも抱かれているのかわからなくなってしまう。
繋がっているところから溶け合って、一つになっていく感じがするのは、相手が和夏だからだろうか。
和夏も俺と同じ気持ちでいてくれるといいなと思いながら、俺は和夏の奥深くを熱く濡らした。
「け・・けん・・ご・・・」
息も絶え絶えな和夏は、まだ始まったばかりなのに満足したような顔で俺を見上げた。
「ん? もう降参か?」
俺が揶揄すると、負けず嫌いな和夏は目元をパッと赤く染めると、キッと睨みあげてきた。
「まだ2発じゃねーか。お前こそ先にヘバるなよ」
「そんな訳ないだろ。一日立ち仕事してる俺と、座ってデスクワークオンリーのお前とじゃ、どっちが体力があるか火を見るより明らかだっての」
図星を指されて、和夏は悔しそうに口唇を噛み締めると、ぷいっと背中を向けてしまった。
「どうせ俺はひ弱だよ・・オタクだよ・・」
あ・・・・ヘソを曲げてしまった・・・
「オタクだなんて思ってねーよ」
背後から抱き寄せると、イヤイヤするように身体を捩って、和夏は俺を拒絶した。
「和夏・・・愛してる・・機嫌直して?」
耳朶を甘噛みしながら吐息を吹き込むように囁くと、くすぐったいのか和夏はビクンと身体を弾ませた。
「まだこんなんじゃ、全然足りねーんだよ。もっとお前を感じさせろ」
和夏はくるっと振り向くと、俺を挑発するように頬に触れた。
「よく言った。泣いても意識を失ってもやめねーから覚悟しろよ」
挑発に乗った俺に、和夏は不敵な笑みを浮かべた。
「望むところだ。タンクが空になるまでイかせてもらおうじゃねーか」
俺は当然、和夏のリクエストにもれなく応えた。