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「はじめまして。大関吏伽と申します。ワカちゃん、いえ、秋永さんのことは結城からかねがね伺ってますわ。どうぞよろしくね」
「熊井雪姫です。よろしく」
 久しぶりに会う雪姫から、以前のようなグラビアアイドルを意識した化粧やわざとらしい仕草はなくなっていた。吏伽の隣に控えめに寄り添って微笑む彼女は、そのグラビアアイドルなんかより、ずっと上品で可愛かった。
「秋永和夏です。この度はどうも・・」
 ペコっと頭を下げた和夏は、吏伽と雪姫のカップルがあまりにもハイクオリティなので、驚きを隠せないようだった。
「お前さ。こんな美人と一緒に働いていて、よく目移りしなかったな・・・」
 和夏は心底呆れたようにつぶやいた。
「あら、お褒めいただけて光栄ですわ。でも、まさか秋永さんは私達に目移りするとかおっしゃいませんでしょう?」
「そうですね。今目移りするなら最初から健悟とはつきあってませんから」
 微笑む和夏のその言葉に、俺はとりあえずホッとした。
「それにしても、いつからつきあってんだよ。熊井さんなんて、俺に気があるもんだとばかり思ってたのに・・」
 俺が訊くと吏伽は思わせぶりに笑った。
「口説いたのは雪姫が辞めてからよ」
 吏伽の言葉に雪姫ははにかんで頬を染めた。
「どうやって口説き落としたのか、武勇伝を聞かせてもらいたいもんだ」
 俺がそう言うと、吏伽は「それは内緒」と言って、雪姫と顔を見合わせて微笑んだ。



「これからしばらく忙しくなるな・・・・」
 健悟と吏伽さんは今勤めている美容室を辞めて雪姫ちゃんも一緒に、ヘアメイクを総合的にプロデュースする店を開く準備に入る。
 吏伽さんが持っている謎の人脈のツテやコネで、ほぼ青写真はできているらしい。
 その前に、彼女を両親へ紹介することに始まり、結婚式や、それに付随するこまごました雑用もあるし、仕事もちゃんとこなさなきゃならない。
「う〜、考えるだけで過労死しそうだな・・・」
 思わず弱音を吐いてしまった。
「冗談。これから結婚するってのに、死なれてたまるか」
 シャワーを浴びてきた健悟が、俺の背後から覆いかぶさってきた。
「確かに。でもその前に、明日にでもウチの女のコ達に報告しなきゃな・・・」
「俺も一緒にいた方がいいか?」
 心配そうに健悟が聞いてくる。
「いや、子どもじゃないんだから、一人で大丈夫だ。基本的に彼女達は俺の味方みたいだし、多分わかってくれると思うから」
 俺が笑ってそう言ってやると、ニヤリと笑った健悟は、それじゃもう話は終わりだとばかりに、俺をベッドに引き摺っていった。

「もうっ・・・焦らすな・・」
 最初の失敗で俺を傷つけて以来、健悟はしつこいくらいに慣らし解すことに時間をかける。
 それはそれで感じるからいいけれど、健悟の念には念を入れる慎重さはじれったくて、いつも俺の方が先に音を上げた。
 後ろだけでなく、胸の粒も散々摘まんで引っ張られたり吸われたり甘噛みされたりして、次に触れられたらぐずぐずに融けてしまいそうなほど、熟れてしまっている。
「まだ3本だよ。もう少し軟らかくなってからね・・」
 もう1秒たりともガマンできなくなってるのに、まだ焦らすつもりの健悟に、俺はキレた。
「うわっ! 和夏?」
 俺は健悟を押し倒してまたがると、既に天を突くほどに勃ち上がっている健悟をつかんで、散々解された蕾にあてがった。
「わ・・和夏・・・」
 ゆっくり腰を落としていくと、しっかり解されたはずなのに、裂けてしまいそうな痛みを感じた。
「大丈夫か? 無理するな・・」
 一番太い部分が、襞を伸ばしきって収まると、俺はやっと息ができた。
「健悟が焦らすから、ガマンできなくなったんだろうが」
 健悟を根元まで収めると、俺はイヤがらせのような前戯に対する意趣返しに、ギュッと締め付けてやった。
「うぁっ・・・キツ・・」
 健悟は目を閉じて暴発を堪えたようだ。俺は先日のお返しじゃないけれど、健悟のタンクを空にするまで搾り取ってやろうと、ゆっくりと動き出した。