13

「あ・・・ぁ・・・やめ・・・」
 ペニスの根元を細いリボンで縛って達けないようにしてから、蕾だけを指で延々と弄ってやると、弓弦は後ろだけで極めそうになっていた。
「ん? やめてイイの?」
 耳に吐息を噴きかけながらそう意地悪く囁いてやると、弓弦は恨めしそうに一矢を睨んだ。
「ホント、ゆづがこんなに淫乱だなんて知らなかったよ・・・誰にこんなに仕込まれたんだ?」
 貶めるつもりは全然なかった。でも、あまりに弓弦が感じやすくてイイ顔をするので、離れていた間に誰か、それも男に調教されていたのではないかという疑念が湧き上がってきて、つい傷つけるようなひどい言葉を吐いてしまった。
「そ・・そんなの・・・」
 こんなになるのは一矢にされているからなのに、どうしてそんなイジワルなことを言われるのかわからずに、弓弦は口唇を噛み締めた。
「ま、手間が省けてイイけどな・・・」
 そう言いながらも、一矢は弓弦を調教しただろう誰かのことが気になっていた。
「もう・・・ヤだ・・・ぁ・・」
 解放を求める熱が身体中を渦巻いている。弓弦は禁止されているのに、自分で慰めようと張り詰めている自身に手を伸ばした。
「おっと、ダメだって言ったよな?」
 もう少しで達けそうだというときに手首を捕まれて、弓弦は泣き出した。
「お願い・・達かせてよぉ・・」
 しかし、一矢は弓弦の右手首と右足首、左手首と左足首を縛って拘束すると寝室を出て行った。
「せ・・先輩ぃ・・ヤだぁ、解いてよぉっ!」
 全裸でM字型に脚を開かされたまま置き去りにされる恐怖に弓弦が泣き出すと、一矢は小さな箱を持って戻ってきた。
「ゆづにいいものをプレゼントするよ」
 そう言って一矢が箱から取り出したものは、ビー玉より一回り大きな玉が繋がったようなもので、いわゆるアナル専用のバイブだった。
 実物を見るのは初めてだったが、話のタネとして知っていた弓弦が怯えたように顔を引き攣らせると、一矢はソレを弓弦の口唇に当てた。
「ふーん・・・コレが何か知ってるんだ? 誰かに使われたことがあったりして・・?」
 弓弦が泣きながら首を振るのに、一矢は手にしたバイブを弓弦の口の中に突っ込んだ。
「入れやすくなるように舐めて濡らしな」
 蔑むような言葉で傷つけられても逆らうこともできず、弓弦は言われたとおりにバイブに舌を這わせた。たっぷりと唾液に塗れると一矢はあらわになっている弓弦の蕾にソレを押し当てた。
「いやっ・・・やめて・・こんなのヤだぁっ!」
 泣き叫ぶ弓弦に構わず、一矢は無情にもバイブを弓弦の内部に沈めていった。
「ああぁっ・・・」
「美味そうに飲み込むじゃねぇか・・・やっぱ使われたことあるんだろ」
 スイッチを入れると低いモーター音がして、弓弦の身体が大きく跳ね上がった。
「ひあっ!」
「気持ちイイ?」
 手にしたバイブをゆっくりと抜き差ししながら、一矢は意地悪い笑みを浮かべた。
「やっ・・やぁっ・・」
 弓弦の張り詰めた先端に先走りの雫が滲んでくる。達けそうなのに達けないもどかしさから、自ら快感を追い求めるように腰を振った。
「すげぇ・・・インラン」
 吐き捨てるように一矢は言うと、バイブを一気に引き抜いた。
「あぁっ・・んっ!」
 喪失感にぽっかり口を開けたままの蕾に一矢は怒張を突き挿れた。
「やっ・・・あっ・・取って・・コレ・・リボン取ってぇっ!」
 弓弦に気を使うこともなく、自分の快楽だけを追って、一矢は闇雲に腰を使った。
 乱暴にされてもどうしようもなく感じて、達きたくて、達けなくて、弓弦は狂ってしまうかと思った。実際、狂ったほうが幸せだったかもしれない。気の遠くなるような時間、弓弦は揺さぶられ続けた。