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「・・・一矢・・?」
「・・・畜生っ・・・お前、ヨ過ぎるぜ・・・」
 しかし、一度達ったくらいでは治まらない。一矢はまだ萎えないモノを弓弦から抜かないまま、体勢を獣のようなそれに入れ替えた。
「あ・・もぅ・・やめてぇ・・」
 息も絶え絶えの弓弦の懇願を一矢は無視して、今度は激しく腰を打ちつけた。
「やっ・・・あぁっ・・」
 一矢と一つに繋がっている部分が熱い。弓弦はそこから融けてしまうような錯覚に陥った。
「ゆづ・・・ゆづ・・」
 いやらしい水音が絶え間なく響いている。弓弦は上半身をシーツに沈め、腰だけを高く突き出した格好で一矢に貫かれていた。
「熱・・・い・・融け・・る・・ぅ・・・」
「融けちまいな・・・俺と・・一つに融け合おうぜ・・」
 素面で聞いたら鳥肌が立ちそうな恥ずかしいセリフも、朦朧とした意識の下では、ダイレクトに心に染みとおってくる。
「うれし・・・せんぱ・・い・・・」
「一矢だよ・・・ゆづ・・弓弦・・」
 耳に直接送り込まれるように、吐息だけで名前を囁かれると、背筋から電気を通されたように感じて、弓弦は一矢を食い締めてしまった。
「うわっ・・ゆづ・・ぅ・・ぁ・・」
 また不本意に暴発しそうになった一矢は、やり過ごそうと弓弦の首筋に歯を立てた。
「やっ・・痛っ・・」
 その衝撃でさらに締め付けられてしまって、墓穴を掘ったことに気づいた時には、情けないことに一矢は再び暴発していた。


「・・・っ、クソっ!」
 一度は仕方ないとしても二度もなんて、初体験の中高生でも、こんな情けない経験をするだろうか。すっかり戦意を喪失した一矢は、ぐったりとしている弓弦の横にゴロンと寝転がった。
「お前のせいだからな・・・」
 見ると、一矢の気持ちを知らずに、弓弦は気持ちよさそうに眠っていた。
「ゆづ・・おい、ゆづ・・・」
 こんなドロドロのまま眠っても気持ち悪いだろう。シャワーを浴びて、シーツも取り替えたいと、一矢は弓弦の鼻を摘んで起こした。
「起きろよ・・ゆづ・・・」
「ヤだぁ・・眠いんだもん・・・」
 弓弦は酔っている時と同じように、子どもに返っていた。駄々っ子のようにぐずった。
「・・・お子ちゃま・・・」
 一矢はぷっと吹き出すと、本格的に寝入ってしまった弓弦を抱き上げて、シャワールームへと運んだ。


 眠る弓弦を浴槽の中に座らせて、一矢はきれいに洗ってやった。内部から自分の放ったモノを掻き出した時には、弓弦は嫌がってぐずった。
「やぁっ・・・寝るんだ・・も・・やめてよぉ・・・」
「ダメ。ちゃんと出しとかなきゃ、後で腹が痛くなるから・・な? もう少しイイ子にしてな」
「やっ・・バカぁ・・・んっ・・ぁ・・」
 弓弦は半分意識がなかったが、内部を洗い流すために一矢がふっくらと腫れぼったくなっている蕾を指で開いてシャワーで湯を注ぎ込むと、感じるのか甘い声を上げた。
「も・・しないでぇ・・・ヤだ・・も、寝るのぉ・・・」
 嫌がって暴れたが、眠気が勝ってるので大した抵抗にはならなかった。しかし、すべてが終わったときには一矢はぐったりと疲れていた。
 シーツを換えたベッドに運ぶと、弓弦はしばらくぐずぐず言ってたが、そのままおとなしくなった。
「おやすみ、ゆづ・・」
 幸せそうな顔で寝入ってる弓弦にキスを落とすと、一矢も眠りについた。