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「取り敢えずシャワー浴びな。着替えは出しておいてやるから」
 望のアパートについてすぐに、弓弦はシャワールームに放り込まれた。
 鏡に映る自分の裸を見て、弓弦は息を飲んだ。鎖骨だけでなく、乳首の周りやわき腹、腿の内側にまで点々とキスマークが刻まれていたのだから。
(ウソ・・・・こんなことまでされてるのに、どうして覚えてないんだろう・・)
 弓弦が頭を抱え込んだ時、望がトランクス1枚の姿で入ってきた。
「ヒュー、キスマークだらけじゃん。高倉って情熱的だったんだねぇ」
 そう言う望も弓弦ほどではないけど、2つ3つ所有印を刻まれていた。
「なっ・・」
 いきなりで驚いた弓弦はシャワーを望に向けてしまった。
「ちょっ・・・待て! ゆづちん。内部を洗ってやろうと思っただけだって・・・」
「そっ・・そんなこと、自分でやりますっ!」
 弓弦は断固拒否したけど、連日パワフルな子ども達を相手にしてる望の方が力は強かった。あっさりと四つんばいにされて、恥ずかしい部分をさらけ出された。
「喫茶店で長いことトイレに入ってたろ? 腹下してたんじゃねぇ? 中出しされたまま放置しとくと下痢るんだよ」
 望はシャワーヘッドを外すと、ホースを弓弦の蕾に押し当てた。
「ちょっと腫れてバラの蕾みたいにふっくらしてるけど・・・よかったな。傷はついてない。高倉は意外と紳士だったんだな」
 ぬるま湯が弓弦の意思に反してどんどん流れ込んでくる。
「やっ・・・やめてぇ・・・牧村先輩ぃ・・・」
 弓弦は泣き出していた。
「俺のこと望って呼ぶならやめてやってもイイけど」
「えっ・・?」
 思いがけないことを言われて、弓弦は思わず振り返った。
「もう俺は卒業したんだし、牧村先輩なんて他人行儀な呼び方やめて、望って呼んで欲しいんだけどな・・・」
「で・・でも・・・」
 先輩を呼び捨てにするなんてと、弓弦が戸惑っていると、望はホースを引き抜いた。
「10分ガマンな」
 非情な宣告をして、望は解放を求めてヒクヒク蠢く蕾に指を挿入した。
「ひっ!」
 衝撃に背中を反らせた弓弦は反動で望の指を締め付けた。
「ゆうべまでバージンだっただけあって、よく締まる・・」
 挿入した指で内壁を掻き回しながら望は言った。
「やっ・・・やめ・・・まき・・・の、望ぅ・・お願い・・・トイレに・・」
「ハイ。よくできました。でも、もうちょっと辛抱しろ」
 結局、もうこれ以上は無理というところまでガマンさせられた弓弦は、泣きながらトイレに駆け込んだ。

「ビールとジュース、どっちにする?」
 精も根も尽き果て、魂も抜かれたような状態になってシャワールームから出てくると、望は缶ビールと缶ジュースをヒラヒラさせながら訊いてきた。
「あ・・おかまいなく・・・」
 遠慮する弓弦に、望は缶ビールを放ってきた。
「まぁ、素面じゃ話しにくいだろ。二日酔いなら迎え酒ということで・・・」
「すいません・・・気を使わせてしまって・・」
 恐縮する弓弦に望はニヤニヤ笑った。
「いやいや。最近倦怠期なのか退屈してたから、全然OK。俺的にはすっげぇワクワクしてるから」
「はぁ・・・」
 どうやら自分は暇つぶしの相手にされてるのだとわかって、弓弦はため息をついた。