12

「ねぇ、センセー。ジェルとか・・・・持ってねぇよな・・・」
 早く橘とひとつになりたくて、建機の分身ははちきれそうなほど滾っている。
「・・・ジェル? 整髪料?」
 トロンとした目で見上げる橘に、建機は鼻血を噴きそうになりながら首を振った。
「センセーに訊いた俺が悪かった。イイや・・・コレで代用するから」
 建機は橘をコロンとうつぶせにして双丘を割り開き蕾をあらわにすると、先ほど橘が放った体液を塗り込めた。
「あっ・・たっ・・・くん・・?」
 建機は橘を傷つけないように、ゆっくりと人差し指を埋めていった。
「痛い? 痛くないよね? センセーんナカ、すっげぇキツくて熱い・・・・」
 建機は慎重に指を増やして、橘の蕾をほぐしていった。
「あっ・・・あぁ・・っ・・」
 痛みは感じないが圧迫感が強くて、それ以上に恥ずかしくてどうしようもなくて、橘は早く終わらせて欲しいと願っていた。
「センセー・・挿れるよ・・・」
 橘の腰を高く上げさせて、今にも弾けそうなくらいに育っている剛直を、ほぐされてふっくらしている蕾にあてがうと、建機はゆっくりと身体を押し進めた。
「あっ・・あっ・・・」
 息もできないくらいの衝撃に、橘の身体がガクガク痙攣するように震える。食い千切られそうな締め付けに、建機は歯を食いしばって耐えた。
「センセー・・・由良さん・・・動いてイイ?」
 建機の問いに、橘はイヤイヤするように首を振った。
「イヤ・・も・・抜いて・・」
 ラグに爪を立てて、橘は懇願した。
「セン・・・由良さんも男なら、ここまできてそんなのダメなことわかるっしょ?」
 橘の腰を掴むと、建機は抽挿を始めた。根元まで突き挿れて、ギリギリまで引き抜くと、橘は引き止めるかのように建機を甘く締め付ける。
 まるで愛されているかのように感じられて、嬉しくなった建機はピッチを上げて腰を使った。
「あっ・・あ・・・たっくん・・・たっくん」
 ガンガン揺さぶられて、橘は息も絶え絶えで、意識も朦朧としてきた。
「すっげぇイイ・・・ねぇ、由良さんも気持ちよくなって・・・」
 建機は橘の腰を掴んでいた両手を胸に回すと、小さな粒を摘んだ。
「んっ・・」
 瞬間的に締め付けられて、建機は危うく暴発しそうになった。
「気持ちイイ? ね・・由良さん・・・」
 ただ熱くて、キツくて、それが気持ちイイのかどうかわからずに、橘は生まれて初めて味わう感覚に、夢中で首を振った。
「由良・・さん・・・・大好き・・っ・・」
 華奢な身体をギュッと抱き締めて、建機はブルッと身体を震わせると、橘の最奥を熱く濡らした。
 橘は建機の灼熱を身体の奥深くで感じながら、意識を闇に委ねた。

『ゆらくん、だーいすき』
 小さな建機が飛びついてくる。由良はしっかりと抱き留めながら、お日様の匂いのする髪に頬ずりをした。
『・・らさん・・・・由良さん・・』
 しかし、抱き締めていた小さなたっくんは、みるみるうちに自分より大きくなっていって、驚いた由良は慌てて手を離した。

「由良さん・・・よかった・・」
 目を開けた橘を、泣き出しそうな顔で建機が覗き込んでいた。
「あれ・・・?」
 大きくなったとはいえ、あの頃の面影はしっかり残っている。やはり建機はたっくんなのだと思うと、橘は笑いが込み上げてくるのを抑え切れなかった。
「由良さん?」
 意識を取り戻した途端くすくす笑い出した橘に、建機は気が触れたのかとギョッとなった。
「ちょっ・・・どうしたんだよ!?」
 慌てふためく建機に、橘は大声で笑い出した。
「あっはっはっはっ!」
 抱き壊してしまったと思った建機の顔から血の気が引いた。