「忍・・・イイんだね? もっと感じて・・乱れて見せて・・・」
臣は両方の乳首を摘まんだり押しつぶしたり引っ張ったりして、俺に声を上げさせた。
「ヤっ・・・イヤ・・・ぁ・・」
身体中にキスをされた。俺が反応した場所は、執拗に吸ったり噛んだりされた。なんでこんなトコがって場所が凄く感じるポイントだったりして、自分でも不思議だった。
臣に、俺の知らない本当の俺をどんどん暴かれていくようで、怖くてたまらなくなった。
「怖い・・怖いよぉ・・もぅやめてぇ・・・」
俺が逃げ出そうと急に暴れだしたので、臣は俺の内部に埋め込んだ凶器で、さっき反応したポイントばかり突き上げてきた。そうされると、怖いと思ってた気持ちもどこかに霧散するほど感じて乱れまくった。
また何度も追い上げられてははぐらかされ、気の遠くなるほど長い時間焦らされて、もう身も世もなく喘がされて、やっと達かされた瞬間、俺の意識は闇にさらわれた。
意識が徐々に闇の底から浮上するように目覚めた俺は、自室のベッドに寝かされているのに気づいた。隣のベッドを見やると翼が眠っていた。
「・・ばさ・・・」
呼びかけて驚いた。俺の声はガラガラに嗄れていたんだ。
起き上がろうとしたけど、身体がだるくて全然力が入らない。頭も重くて鈍痛がする。
「う・・ん・・・」
「翼?」
もう一度呼びかけると翼はゆっくりと目を開けた。
「・・のぶ?」
翼の声もガラガラだ。あれからずっと内藤会長にヒドイことされたのかな。
「忍・・そっちに行ってもいい?」
俺が頷くと、翼はのっそりと起き上がってベッドから降りた。
「あっ・・・」
翼は素っ裸だった。身体中に赤い斑模様がついている。
俺の隣にもぐり込もうと布団をめくった翼は、俺の身体にも翼と同じく斑模様を見つけると、眉を寄せた。
「忍・・・ソレ、櫻田寮長にヤラレちゃったの?」
「うん・・・」
頷いた途端、また涙が溢れ出した。
好きだって言われた。でも、まだ出会ったばかりでロクに話もしたことないのに、恋人だって言われても、全然実感わかなくて。それなのにクスリで身体の自由を奪われて、言葉にするのも泣きたくなるくらいに恥ずかしいことばかりされて・・・
昨日一日で許容範囲を超えるいろんなことがありすぎて、俺の涙腺は壊れてしまったようだ。
「忍・・・?」
俺がいきなり泣き出したので、翼は驚いたようだ。
「ねぇ、もしかして、レイプ・・・されたの?」
涙が止まらなくて返事もできない俺に、翼はそう思い込んだようだ。でも、あながちハズレじゃない。だって、臣は俺の意思を無視してあんなことしたんだから。
「ヒドイ・・・可哀想に・・・忍・・」
悔しくて悲しくて泣きじゃくる俺を抱き締めてるうちに、翼ももらい泣きしたようだ。涙声になっている。
「僕は人前であんなことされて恥ずかしかったけど、修ちゃんのこと好きだし、あの説明会は必要なものだってわかったから、許すことにしたけど・・・でも、寮長は・・・」
「・・ばさ・・・俺・・・・」
「わかった・・・もう何も言わなくてもいいから。修ちゃんに言って寮長のこと懲らしめてもらってあげる」
翼が俺のことを思って、そう言ってくれてるのがわかる。でも、臣のことを懲らしめて欲しいとは思わなかった。
「いい・・んだ・・・もう・・」
女の子じゃないんだし、こんなのは殴られたのと大して変わりない。でも、どうしてこんなに泣けるのか、自分でもわからなかった。
「忍・・・慰めてあげたいけど、どうしてあげたらいい?」
翼に訊かれたけど、俺は首を振った。
「何もいらないから、今はこのままでいて・・・」
素肌が触れ合う感覚が気持ちよくて、ずっとこうしていたかった。