「基本的には女性を相手にするのと大差はありません。しかし、女性と違って男は受け入れるようにできてないので、そのための準備をしなくてはなりません。これから説明するのはその方法です」
シーンとしている室内に、ゴクリと唾を飲み込む音が響いた。翼も俺もどうすればいいのか、半泣き状態だった。
「怖がらなくてもいい。君は目を閉じて修司に身を任せていれば大丈夫だから」
翼に向かって微笑みながら、櫻田寮長は小さな声でそう言った。だけど不安が拭えないのか、繋がれたままの僕の手に、翼はギュッと力を込めた。
「モデルを務めてもらう吉行翼くんは、こちらにいるもう一人のモデル、内藤生徒会長の恋人ですので、横恋慕は無用に願います」
櫻田寮長の言葉にあちこちで落胆のため息がこぼれた。男とはいえやっぱり翼は可愛いから、ここではそういう対象になってたんだな。
「ちなみに、吉行くんの隣の松木忍くんは僕のモノですので、こちらも手出し無用に願います」
「えっ!?」
驚いて顔を上げた俺に、櫻田寮長はウインクをして寄越した。
「詳しくは後で説明するから、今は話を合わせてくれ」
小声で囁かれて、訳がわからないまま俺は頷いた。
準備として工事現場で使われるような大きなブルーのシートを部屋中に敷き詰めてから、櫻田寮長の話は始まった。
「まず最初に言っておきたいことは、決して無理強いはしないで欲しいということです。相手が嫌がった場合には速やかに引いてください。守って欲しいのは以上のことだけです。それでは説明に入りますが、初心者はお互いの手や口で愛し合うやり方が一番無難で身体にも負担がかかりません。後ろで繋がりたい場合には、ちゃんと解す必要があります。今日は時間の都合で省略しますが、できれば事前に排便を済ませるのが理想的です」
櫻田寮長は淡々と説明していくけど、内容はとてもきわどいもので、段々翼の顔から血の気が引いて行く。内藤会長にそっと抱き寄せられても、握り締めた俺の手は離さなかった。
「男の身体は受け入れるようにできていないので、濡らす必要があります。専用のオイルやローションはネット等で簡単に入手できますが、購買部で売られているベビーオイルなどで代用もできます。それでは内藤会長、実演をよろしくお願いします」
櫻田寮長にバトンを渡されて、ニヤッと笑った内藤会長は、怯えきって真っ青になっている翼に優しくキスをした。最初はついばむように軽いキスだったのに、段々と深く濃厚になっていくにつれて、あちらこちらから「おぉっ!」とか「すげぇ」とか声が上がった。
内藤会長はディープなキスを続けたまま翼のシャツのボタンを外し肩から落とすと、キスを口唇から首筋、鎖骨へと下降させながら、手でも体中を撫でまわっていた。
口唇が辿った後の翼の肌には、紅く花びらが散ったような跡が残っていて、まるでマーキングされてるようだった。
目を閉じている翼はショックでほとんど意識がないような状態で、内藤会長にされるがままになっていたけど、俺の手は強く握ったままだった。
「男でも胸が感じることがあるようですが、これは個人差もあります。翼くんの感度はどうなんでしょうね」
櫻田寮長が説明を挟むと、内藤会長が翼の胸に口唇を寄せた。
「あ・・っ・・」
翼は感じたのか、小さく声を上げて身体を弾ませた。握られたままの俺の手にも、力が加わった。
「翼・・気持ちイイか?」
内藤会長の問いかけに翼は閉じていた目をゆっくりと開けた。
「あ・・修・・ちゃん・・」
激しいキスで紅く腫れぼったくなった翼の口唇から漏れた声は、甘く濡れていた。
口唇と共に翼の胸の粒をいたずらしていた内藤会長の手は段々と下に下りてゆき、翼のスウェットのゴムにかけられた。
下着ごと一気に引き下ろされると、翼のペニスが勢いよく飛び出してきた。キスと胸の愛撫だけで感じていたのは、硬くなって雫を浮かべているペニスが如実に証明していた。
「ヤっ・・修ちゃん!」
「1回達っとくか」
内藤会長は恥ずかしがって暴れだした翼のペニスを大きな手で包み込むと、追い上げるように扱いた。