「まずは解してあげるからね。痛くないから安心しておいで」
 臣は身体の自由が利かない俺を四つんばいにさせて、プラスチックのボトルから液体を割り開いた双丘に垂らした。その冷たさにすくみあがった次の瞬間、熱いものがゆっくりと肛門にねじ込まれて、俺は悲鳴を上げた。
「痛くはないだろう? 少しキツイけど忍の小さなお口は、おいしそうに僕の指を咥えてるよ」
 臣はそう言いながら、俺に挿入した指を動かしてみせた。熱いと感じたものは臣の指だったのか・・・確かにそんなに痛くはないけど、すごい圧迫感を感じた。
「苦しい・・・お願い・・・抜いてください・・・」
 涙声でお願いしたら、臣は指を引き抜いてくれた。でもまたすぐに硬く冷たいモノがソコにあてがわれた。
「こぼさずに飲むんだよ」
 さっきのガラスの器具から、おなかの中にゆっくりとぬるま湯を注入されると、俺は吐き気をもよおした。
「気持ち悪い・・・お願い・・・トイレに・・・」
 どれくらいのぬるま湯が入れられたのか、パンパンに張ったおなかがゴロゴロしてきて、ガマンできなくなった。
「ダメ。もう少しガマンしようね」
 臣は微笑ってそう言うけど、クスリのせいで身体に力が入らないから、ガマンなんてできそうになかった。おまけに全身の熱がペニスに集中してきて、おなかが痛いのにしっかり勃起していた。
「ダメ・・・もう・・・もう出ちゃうよぉ・・・」
 出したいのは前からなのか後ろからなのかわからなくなってて、こらえ切れなくて悲鳴を上げたら、臣は酷薄な笑みを浮かべてこう言った。
「そう、じゃあ見ててあげるから、ここで出してごらん」
「―――っ!」
 臣は本気だ・・・冗談で言ってるんじゃないってわかった。
「イヤだ・・・そんなこと・・・できないよぉっ!」
 でもやせガマンも長くは続かなかった。俺は臣が見てる前でペニスを扱き、泣き喚きながら腹の中のものと熱い体液をぶちまけると、そのままブラックアウトしてしまった。

「よかった・・・気がついたね」
 目を開けるとそこは臣のベッドの上で、真っ白のバスローブに身を包んで俺に添い寝していた臣は、ホッとしたような顔になった。
 俺は素っ裸だったけど、キレイに清められていて、柔らかいタオルケットでくるまれていた。
「ごめんよ。忍は未経験者なのにいきなりあんなことさせて、ショックが強すぎたね。あぁ、そんなに泣かないで・・・目が溶けちゃうよ」
 臣の顔が滲んできたと思ったら、自分でも気づかないうちに、俺はボロボロ涙をこぼしていた。
「やだって・・・っく・・・言った・・・のに・・」
 嗚咽が溢れて、ちゃんと声が出なくて情けなくて恥ずかしくて、更に涙が溢れた。
「忍・・・忍・・・ごめんよ・・・嬉しくて焦ってしまったんだ・・忍と早く一つになりたくて・・・」
 俺の涙がいつまでも止まらないので、臣は段々おろおろしだした。ツンと澄ましている仮面が剥がれると、年相応の普通の高校生に見えた。
「忍・・僕のこと嫌わないで・・・」
 臣の口唇が優しく頬に触れて、俺の涙を吸い取っていく。しゃくりあげると落ち着かせようと背中をポンポンと赤ちゃんにするみたいに優しく叩いてくれた。
「忍・・可愛い・・・好きだよ・・」
 砂を吐きそうな甘ったるい言葉を紡ぐ臣の口唇は、そのまましっとりと俺の口唇に重なった。
「やっ・・・・」
 声を出そうと口を開いた途端に舌が滑り込んできて、俺の口内の粘膜をくすぐる。他人の唾液なんて汚いはずなのに、何故かそんなことどうでもよくなるくらい気持ちいいのは、まだクスリが効いていて、まともに頭が働いてないからかもしれない。
「気持ちいいんだね、忍。また勃ってきたよ」
 俺をくるんでいたタオルケットをそっと剥いで、臣は直接肌に触れてきた。
「さっきの償いに、この世のものとは思えないくらい、気持ちイイことしてあげるよ」
 臣は内藤会長が翼にしていたように、俺の胸を口唇で吸ったり、舌で転がしたり、歯を立てたりした。
「あ・・ぁ・・」
 自分でも信じられないような甘ったるい声が漏れると、また身体の中から熱くなるのを感じた。

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